無益な言い換えはやめようよ…

厚生労働省がお年寄りについて語るときに避けて通れない「痴呆症」という言葉を、言い換えようとして代替案を検討しているようです。「認知障害」「もの忘れ症」「記憶症」だとか。
「精神分裂症」や「脱北者」の例もそうなのですが、なぜこうやって差別語を作り出そうとする人がいるんでしょうか。「痴呆症」も「精神分裂症」も、もともとは差別語でも何でもありません。ところが、中にはこれらの言葉に勝手に差別的ニュアンスを見いだす人がいて、言い換えによって世間の差別意識を固定化しようとしているわけです。全く百害あって一利ない話だと思います。
この手の発想は文字通り「臭い物に蓋」であって、呼ばれる側を「臭い物」として扱っている点がもっとも問題です。あるいはこのようなことを言い出す人の中には、それらのように呼ばれる人自身が含まれている場合があるようですが、自分の首を絞めていることに早く気づくべきでしょう。