PowerShot G7は水中向きなのか その1

さてそのPowerShot G7ですが、第一印象は「お、重い」と、意外にずしりとした感触でした。たぶん枠は金属製なのでしょう。金属だと剛性はとれますが、プラスチックの場合はハウジングの出し入れなどで手が滑って落ちたときに衝撃を吸収しやすそうです。一長一短ですね。
光学手ぶれ補正は私が慣れていないせいか、今さらながら優秀な物に感じました。「ワイド端の焦点距離が長い(35mm相当)」という評判がありますが、当然水中でのワイドはワイコン前提だし、後述の問題を考慮するとむしろ好都合でしょう。「バリアングル液晶がなくなったのはがっかり」という評判もありますが、私はその分大きくて視野角の広い液晶の方がよいです。だいいち水中ではバリアングルに何のメリットもありません。最大の弱点は単3形電池*1が使えないことでしょう。
というわけでこのカメラには期待するところも大きいのです。
残念ながらウォータープルーフケースは対応のWP-DC11を含め、一切展示がありませんでした。以前から少し気になっていたのですが、WP-DC6以降のウォータープルーフケースについては対物レンズの周囲が横に広がった形をしています。
なぜそんな形?と思ったのですが、実機を触って理由が分かりました。水中カメラとしては非常に都合が悪いことに、テレ側でレンズがかなり前へせり出してしまうのです。ワイド側に引くとレンズも引いてしまうので、視界を確保するにはケースの対物レンズ部もレンズの外径以上に広くしなくてはいけません。仮にこのカメラがワイド端35mmでなく28mm相当の視野角を持っていたとしたら、なおさら大きなケースになっていたことでしょう。
レンズの動きがこのタイプだと肝心のワイド端でワイコン等を使う際にレンズとワイコンの距離が離れてしまうという、非常に不都合なことが起きます。イノンがこれらの機種のマウントベースをなかなか出してくれないことにも関係しているのではないかと推測されます。M67マウントでの対応も噂されていますが、もしこれが不可能だとまず水中カメラとしてはかなり痛く、今のコンパクト機ならこれしかないと思っていましたが、慎重に見極めることが必要です。
ただし例えばFinePix F30の場合、イノンがマウントベースを発表したのが本体発売の前日、発売したのが1ヶ月弱くらい後だったので、そんなものかも知れません。とは言えあの形だけは気になります。

*1:私が単3形対応を望むのは、電池がどこでも買えるから」だけではありません。一般的に単3形の充電池に対応している方が容量が大きいだけではなく、電池が劣化したときも低コストで交換できること、充電器にも汎用性があって荷物が減ること、一般的に単3形の充電器の方がスピードが速いこと、充電器も電池も将来の性能向上を享受できること、などたくさんのメリットがあります。