一生で最も長い一日

今日未明、母が他界しました。
ここには一切書きませんでしたが、突然のことではありません。この日記を始めるよりもっと前、昨年の2月の初めに突然動けなくなり入院、癌であることが分かり、それ以来の闘病でした。以来私が牛久へ行ったのは、ほとんどその見舞いや看病のためでした。今週に入ってからは病院で付きっきりでした。
最初の入院時にはすでに全身に転移し、余命2ヶ月と言われましたが、一旦は退院するなど1年8ヶ月の闘病となりました。癌についても、介護についても、人が死ぬことについてもなんの知識もない私にとって、勉強したり心の準備をする期間が十分にあったのは、大変ありがたいことでした。
亡くなったときは大変穏やかなものでした。亡くなってから病院を出るまでは、ほんの1時間ほどだったでしょうか。この時間が恐ろしく長く感じました。
そして昨日からまったく寝ていないにもかかわらず、お通夜、葬儀などの次から次へとやってくる打ち合わせ。これが、まったく私の知らなかったことばかりで、驚くやら混乱するやらの連続。こんなに一日が長く感じられ、また疲れたことはありませんでした。
そして、すべての事柄に対する、この何とも表現しがたい不安感を味わったのも初めてです。
喪主になるはずの父は、こういうとき性格的にほとんど頼りにならないため、私と妹がすべてを決定し、仕切らなくてはいけませんでした。妹がいることがどんなに頼もしいことかを思い知りました。
とにかく、母にとっては長い闘病でしたが、最期の時まで傍にいられたこと、それが「あれ?息してないんじゃない?」というくらい静かなものだったことが救いでした。
いろいろ書くといくらでも長くなるし、本当はとても悔しい最期だったはずですが、とにかく最期まで恨み言一つ言わない生き方。私にはあまりにも偉大すぎる母だったかも知れません。
1938年2月11日生
2005年9月29日 午前5時20分逝去 享年67才
合掌