IT用語の謎

その昔、日本でJUNETがいろんな大学に接続されるようになったころには、まだネットワークの使用目的は非常に限られていたし、ビジネスに使うような物ではなかったので使う人も限られていました。だから用語が多様化するようなこともありませんでした。
HTMLのブラウザという物が出てきたのは大学以外に企業がネットワークに接続するようになりJUNETでなくなった頃でしょうか。当時日本ではブラウザなんて呼んでいなくて、Mosaicなんて固有名詞で呼んでいました。その頃から「複数の呼ばれ方をする物」が出てきて、IT用語の多様化が始まったのかも知れません。
いろんな人がHTMLを使ってwebサイトを作るようになると、それをなぜかホームページと呼ぶようになりました。いまだにこの用語は生きていて、例えばNHKではwebサイトを作る商売を「ホームページ制作業」などといっていますが、もちろんホームページでないページも作っていますよね。そのころから「実態と異なる使われ方をする用語」が出てきたように思われます。
そんなこんなでインターネットという言葉が一般化し、企業がビジネスに利用するようになると、やがてBtoBとかBtoCという用語を使う人が出だしました。これらは図に書くことも簡単なのでいちおう意味は理解できますが、ERPCRMとなると外の世界の人からはちょっと「?」ですね。この頃から「訳の分からない略語」が爆発的に増え始めたような気がします。
さて、今に至ってはWeb2.0だの、SaaSだのという訳の分からない用語を、半ばファッション感覚で使う業界人や業界誌が目に付きます。もうこうなると何を指しているのか、人によって内容が違うので非常にやっかいです。そろそろこういう傾向に、みなさん飽きてくれないでしょうか。実に疲れます。