コンパクトカメラの明日はどっちだ?

一眼レフがデジタルカメラの仮の姿であるならば、コンパクトカメラ*1はデジタルとしては「正常進化」をしている形態といっても良いでしょう。デジタルバックありと言えども、そもそもデジタルカメラというものはコンパクトになるように作られてきた物なのです。
以前、この日記でコンパクトカメラは「超コンパクト機」と「普通のコンパクト機」に分けられると書きました。
前者は「持ち歩く物は小さくなった方が良いに決まっているだろう」といういかにも日本人の得意な分野であり、実際今でもカメラはどんどんコンパクト化しています。あまり小さくなってしまうと、携帯電話機にもカメラがついているんだからそのうち携帯電話付きカメラが出てくるんじゃないかと思わせるほどです。しかし、あまり行きすぎるとボタンを配置するスペースがなくなって操作性が異常に悪くなったり、カメラをしっかり握ることができなくなったりします。スパイカメラではないのだからほどほどにしてもらいたいものです。
後者は「コンパクトにする前にもっとたくさんの機能を詰め込んでしまおう」という分野です。分かりやすい例としては高倍率ズーム、ワイドレンズ、光学手ぶれ補正などが挙げられます。これらはデジタルカメラの正常進化として最も期待したい分野ですが、やりすぎると操作系が複雑になりすぎ、年寄りには「ボタンを押すと壊れるんじゃないかと思って」使えないカメラになってしまいます。
また、これらの分類に入れていなかったタイプもあります。例えば比較的大きめの画像センサーに本体と不釣り合いな巨大レンズを積んだような「スーパーサイズなコンパクトカメラ」ですが、これは呼び名を変えないといけないですね…。でも仕組み上は一眼レフよりもコンパクトカメラに近いものです。
水中写真を撮りたいダイバーとして期待したいのは「普通のコンパクト機」で、しかも水中向けの特徴を持った機種です。しかしそのような機種がほとんど出てこなくなってしまったのは前述の通り。また、単なる「生活防水」から「5m防水」程度にまで広がってきた防水カメラの発展にも期待したいところです。来年はどこまで行けるようになるでしょうか。
ところで一つ忘れてはならないのは、まだ着実に生き続けているフィルムカメラの存在です。デジタル時代の到来とともに消えてしまいそうでしたが、最近NATURAのように特徴を生かしてリバイバルを果たしているコンパクトカメラもあります。
フィルムでは、当然デジタルにはない写りがあり、カメラ自体もコンパクトならデジタルよりはるかにシンプルで扱いやすいという特徴があります。最近のこういうカメラで水中で使ったというケースは知りませんが、コンパクトなフィルムカメラならではのシンプルな操作性と表現力で、水中写真(特にワイド系)を撮るとどう写るのか、ちょっと興味は持っています。来年はこれのハウジングを作ってみようかなぁ…?

*1:ここで言う「コンパクトカメラ」にはデジタルカメラを含む。