一眼レフの数少ない有利な点

水中カメラとして一眼レフを使うことについて、さんざん疑問だなんだと言い続けてきた私ですが、最近一つだけ意義があるかも知れない分野を見つけたような気がします。それは、ワイド逆光写真です。
ワイド逆光写真では太陽を視野に入れるため、締まった絵を撮るには環境として絶対的な透視度の高さの他、カメラはシャッタースピードが速く、絞りはより絞る必要があります。シャッタースピードはコンパクト機でもかなり速いものもありますが、それでも1/1000〜1/2000程度がせいぜいという機種が多いです。絞りは、回折の問題でコンパクト機はF8〜10程度までしか絞れませんが、多くの一眼レフ用レンズはF16〜22程度まで絞れます。
絞り込みつつ近くの魚も写すような場合は、逆光に対抗できるような強力なストロボを2灯にしたりする必要があるかも知れないので、この面でも一眼レフは機動性が落ちますが、コンパクトでは上記のような制約により光学的に真似できないことになります。また、ストロボ同調速度の問題があるので、より絞りが重要になります。
ただし、一眼レフで撮った写真といえども、そこまで性能をフルに生かして撮られた写真は、実際にはごくまれにしか見ることはできません。