憲法と高校野球の微妙な関係

最近「実は」高校野球の世界では憲章によりスポーツ特待制度が禁止されていたが、数百の学校がそんなの無視していたという実態が明らかになり、ちょっとした騒ぎになっていますね。
この日本学生野球憲章というのは、いわば高校野球憲法であり、ルールブック以前に高校野球の何たるかを定義した高位の規則であると思われます。厳密な適用は「解釈」によって決まりますが、特待制度が禁止行為に当たるであろうというのはどうやら異論のないところのようです。
私が驚いてしまうのは、なぜ多数の学校が違反行為をしているのかという問題よりも、世間では、憲章が厳しすぎるのではないか、なぜ野球だけ特待生が許されないのかという変な方向の議論があふれている点です。
いつからルールは破るためにあることになったのでしょうか。
これは今時の、日本国憲法の改定の議論と似ています。
両者とも、「実はこれ守られていないけど、それってやっぱり時代に合わなくなったんじゃないの?変えるべきじゃない?」という、実に粗末なお話です。「憲章」「憲法」というのは、そんな軽いもんではいけないでしょう。
都合が悪いからといってルールの方を変えるなら、まずそのルールを100.0%守っていることを確認した上で、やはりこうすると実際に都合が悪い、だからここを変えようという論理的な議論をするべきではないでしょうか。