「転職は慎重に」の理由

不況がはっきりしてきてからは一時期ほどではありませんが、それでも転職やさん(人材紹介業かな?)の広告は各所で目立っています。実際には転職やさんも不況の影響をかなり深刻に受けていると聞きました。
ところで、彼らの広告にはなぜ「転職は慎重に」のような文句が書かれているのでしょうか?転職市場が活発になるためには、多くの会社員にどんどん転職を考えてもらった方がいいのではないでしょうか。
このようなことは、仮に自分が転職やさんの立場になったらどうかと考えてみると、なんとなく分かります。
まず、彼らにとっての客は誰かというと、これは転職したがっている人たちではなくて人材を捜している企業です。実際、転職やさんへの個人の登録は無料である場合がほとんどです。また、出来高制の場合、企業は見つかった人材の年収の4割程度を紹介料として転職やさんに支払うそうです。つまり人材は転職やさんにとっては商材であるに過ぎません。
商材であるところの転職希望者が数ばかり増えても、転職やさんは儲からないわけです。それどころか、あまり短期に転職を繰り返されれば人材の商材としての価値が下がってしまいます。しかも「人材紹介業が気軽な転職をあおっている」などという評判を立てられたのでは自分たちのイメージも下がってしまいます。
だから、転職やさんは「転職は慎重に」のようなことを言っているわけです。