画期的だが微妙に残念なE-P1

一昨日、当初の予定より1日遅れてオリンパスオリンパス・ペン E-P1を発表し、いくらか世間の耳目を集めているようです。
私もこの件には注目していましたが、「マイクロ一眼」という愛称はどうもしっくり来ないと思いました。これでは、「光学ファインダーがないのが残念」などという、トンチンカンな感想を書いてしまう人が出てきてしまいます。
何度も書いているようにコンパクトなデジタルカメラならファインダーのない「一眼」はずっと前から当たり前なわけで、それ自体は目新しくも何ともありません。初のマイクロフォーサーズ機であったパナソニックLUMIX DMC-G1の時にも思ったのですが、どうして一眼レフからのアプローチになっちゃうんでしょうか。
また、フィルムカメラデジタルカメラはまったく似て非なるものなので、ペン(あるいはペンF)のブランド力をことさら利用しようとしてもあまり意味がないと思います。むしろデジタルカメラとして評判の高かった昔のCAMEDIA C-x0x0シリーズの後継として出せば有意義だったのではないでしょうか。
このカメラにとっては、「レンズが交換できるコンパクトデジタルカメラ」というアプローチの方が、ずっと画期的です。このカメラに「光学ファインダーのないショボい一眼」というレッテルを貼る人は不幸な人です。デジタルカメラの本当の価値を分かっていません。そういう人を出さないためにも、もう「一眼」にこだわるのはやめましょう。
ところで、E-P1の画期的な点の一つは、記録メディアとしてSDメモリーカードを採用し、xDピクチャーカードを廃した点だと思います。富士フイルムはとっくにxDを捨てています。私がキヤノンPowerShot A1000ISを買う前の比較で、オリンパスを選ばなかったのは乾電池が使える機種が少ないからですが、世間で「xDなんてメーカー依存メディアは嫌だ!」という声が多いのは十分理解できます。xDを離れることは、オリンパスがもう一段飛躍し、デジタルカメラのメーカーとして一人前になるためにどうしても避けて通れない道であるといえるでしょう。
残念なのは、やはりバッテリーが汎用性のないものになってしまったことです。単三型電池に対応できれば、このカメラの価値は倍増したでしょう。