ハナダイとハナゴイの違いは何?

という疑問を一度は抱いたことのあるダイバーは多いでしょう。私もそうです。
まず最初に言えることは、釣り人がいうハナダイという魚はチダイ(タイ科チダイ属)であって、ダイバーがいう○○ハナダイの類ではないということです。
ダイバーがいうハナダイをハタ科ハナダイ亜科の魚だとすると、ハナダイやハナゴイの仲間はほとんどその中のナガハナダイ属に入ります。ここでハナダイとハナゴイには明確な違いは見られず、名前だけの問題でありそれらは同じ仲間と考えてよいようです。
一説には、顎の形の違いで下顎が出ていればハナダイ、そうでないものをハナゴイとする説があります。確かに多くの写真を見比べると、「○○ハナダイ」と名の付く魚は受け口で下顎がよく動きそう、「○○ハナゴイ」はおちょぼ口で上下が均等に開きそうな印象を受けます。しかし、実物を見てそのようなポイントで見分けるのは大変困難だと思われます。やはり名前の違いで覚えた方が正確でしょう。
代表的なものとしてキンギョハナダイやアカネハナゴイがこの中に入ります。例外的なものとしては以下のものを覚えておけばよいでしょう。

  • サクラダイはサクラダイ属
  • アカイサキはアカイサキ属
  • ハナゴンベはハナゴンベ属
  • オシャレハナダイやアズマハナダイはイズハナダイ属

それ以外にもイトヒキハナダイ属やヒメハナダイ属、ミナミハナダイ属などいろいろあるようですが、ダイバーが普段見かけるものの多くはナガハナダイ属です。

ところで、ハナゴイと名がつく魚の中でも少し異彩を放っているのがフタイロハナゴイです。フタイロハナゴイもそのナガハナダイ属の仲間なのですが、だいたい崖の下や穴倉の中など目立たないところで逆さになったりしていて、明らかに他のハナゴイとは異なるたたずまいです。
一時期この魚に魅了されていたことがあります。何を間違ったか、ドライスーツを新調する際に「色をフタイロハナゴイ風にしたい!」と言い張っていました。結局、色サンプルを並べていろいろ工夫しても気持ちの悪い色にしかならないことに気づくまで2年くらいかかりました。挙句、そのドライスーツはいまだに未発注なのです。