清々しい結果と、頓珍漢な価値観のギャップ

ワールドカップで「なでしこジャパン」が優勝し、大変な快挙ということになりました。あまりにも期待を越えた活躍に大変驚きました。また、選手たちはプロと言っても大変な低報酬で働きながら活躍していることを知ればなおさらです。
テレビなどではほとんど報道されていませんが、実はその裏で、ソフトボールの日本代表女子チームも「カナダカップ」で優勝*1しています。大会の規模が違うとはいえなぜここまで扱いが桁違いなのか、まだまだ日本のスポーツファンというのは視野が狭いなぁと思ったところでもあります。
ところで、私が「なでしこジャパン」の今回の活躍を見て感じたのは、女子だからといってそれに甘えるようなところがほとんど見えない点でした。乱暴に言えば「変に女の子ぶっていない」ということでしょうか。
日本では性別を不必要に対立関係で捉えることが多く、また公共機関やマスコミによって女性をことさら特別扱いしようという風潮があります。この選手たちには、大会中や帰国後のテレビ出演時の言動などを見るにまったく「そういう風に扱われたい」という意識が感じられず、私はそこに非常な好感を持ちました。監督が男性なのも影響しているかもしれません。
…であるにも関わらず、世間ではきっと「日本の女性は男性よりすごい」的な安易な論調が出てくるだろうなと思っていたら、意外に少ないながらもやっぱりありました。
このリンク先のblog記事は、決勝で負けたアメリカのマスコミの論調が非常にフェアだった点を賞賛していて、そこはよいのですが、なぜか最後の段落で「女性に白旗を上げよう」というお馬鹿なことを書いて全体の清々しさを台無しにしている例です。
これまでに何かのスポーツの記事で、男子チームが活躍して女子チームが平凡な結果だったら「男性に白旗を上げよう」と主張する記事が世の中にあったでしょうか?全くこんな馬鹿なことを言う人が今の時代にもいるのかとあきれるばかりです。「彼女たちが国内で同じように輝けていないとしたら、日本国内では、男性既得権益者たちが彼女たちを活用できないからだろうか。」などと寝ぼけたことを言っていますが、私が何の既得権を持って誰を活用していないからだというのでしょうか。
いまさら人間を2つのグループに分けて対立させ、無駄に勝ち負けを決めるような愚にもつかない妄想を展開するのは辞めて欲しいものです。本当に国際的にも恥ずかしいのです。せっかくのフェアプレイも台無しです。