ふと考える

Pal Pal Diversの前身のさらに前は「星を見る人のページ」でありました。水中写真と天体写真を同時に趣味にしている人はどのくらいいるのかな?まさか同時にプロの人はいないですよね?
で、今ふと考えるのがその二つの違い。これが考えれば考えるほど(技術的には)両極端に違うのでおもしろい。
まず画質に関すること。水中写真というのは普通は自然の海水という、とんでもないノイズ源をフィルターに写真を撮っているから、ノイズなんていうのはほとんど気にする必要がありません。たまに画面の端の流れを気にする人がいるが、私に言わせれば「何細かいこといってんだハハハ」という感じです。ところが天体写真は違います。星、特に恒星というのはサンゴの海底で誰かがフィンキックで巻き上げた白砂よりも遙かに細かいから、文字通り砂粒ほどのノイズの存在も許されませんな。レンズにホコリが付いてるなんてあり得ない。
ちょっと近いテーマですがピント合わせ。水中でもピントにうるさい人はいて、時に高速AFがもてはやされますが、天体ではAFは完全にNG。MFでナイフエッジであってカメラを手持ちなんてあり得ません。その代わり一旦無限遠を捉えれば基本的に調整の必要もありません。
それと対象物の性質と視点。水中では地上より種類は少ないとはいえバラエティに富んだ魚がいるしチョコマカ動き回ります。季節によっても変化します。天体では誰が見ても同じ。彗星、超新星、人工天体などの例外を除けば基本的にいつ見ても同じです。視点を動かすこともできません。地球内での移動などというのは、宇宙から見れば静止しているのとほぼ同じ。
と、かなり極端に違っている部分を挙げましたが、実は似ている部分もいくつかあります。
どちらも他の用途では使わないような、割と特殊な機材が必要。水中ではハウジングや水中用フラッシュ、アームなど。天体では場合にもよりますが鏡筒や赤道儀、そのモータードライブなど。
天候にかなり左右されること。程度は違いますが両方とも同じですね。
どちらも凝れば凝るほど金がかかること。あぁ、これは痛い…