目の間隔と大きさと性格

動物はどうやって自分の大きさを認識しているのでしょうか。地上の動物なら、手や足があって自由に姿勢を変えられるものも多く、ある程度自分の姿を見ることができます。でもウツボやウミヘビなどを除くほとんどの魚には、たぶんそれはできませんね。
何の科学的根拠もない自説としては、魚にとって目の間隔(左右の距離)が自分の大きさを認識するほとんど唯一の方法ではないかと思っています。
目の間隔とは違いますが、陸上の動物については、肉食/草食という分類で大まかに肉食動物は獲物を追いやすいように目が正面向きに近く、草食動物は逃げやすいように目が側面向きに近いという傾向があるようです。しかし魚の場合は肉食かどうかを問わず、正面向きの目は少ないような気がします。
そうなると、魚の場合は体幅が目の間隔とおよそ同じ傾向を持っていると仮定できるかもしれません。同じ体積であれば、顔が大きくてより寸胴な魚の方が、長細かったり体高が非常に高い魚より自分を大きく感じている可能性があります。
難しいのは「自分を大きいと思っているから肉食/貪欲」とは限らない点です。これらの仮説からすると、シュモクザメが凶暴でヘラヤガラやツバメウオがおとなしいのは理解できますが、長細いオニカマスが貪欲で目の間隔が広いジンベエザメがおとなしく、フグの類が肉食であってもだいたい臆病なのはぜんぜん違います。そういえば、フグの仲間はだいたい肉食ですがあの目の付き方は陸上でいうと草食動物のものですね。
というわけで、魚では目の間隔で体の大きさが何となく分かったとしても、それと性格とは一致しないし、肉食かどうかともあまり関係がないようです。水中ではどちらかというと口の大きさや歯の構造で性格まで決まっているような気がします。