オリンパス TG-1

会社としては不安なオリンパスですが、カメラの水中対応としては相変わらず最もがんばっているメーカーです。ここしばらく、そのカメラ自体も今ひとつな状態が続いていましたが、そのオリンパスが久しぶりにToughシリーズで意欲的なモデルTG-1を発表しています。
来月発売予定ですが、いくつか注目しておきたい点があります。

  • 屈曲系でF2.0

レンズがコンパクトであることは、水中では地上よりもかなり重要な要素です。しかもズームでレンズが動かないことは絶大なメリットです。防水プロテクターPT-053(TG-1用)も、幅153mm×高さ110mm×厚さ78mmと、PT-052(TG-820など用)の幅145mm×高さ111mm×厚さ74mmと大差ない大きさにおさめられています。

  • 耐水深度12m

数m程度の防水機能のあるカメラではまだそのままSCUBAダイビングでは使えないと甘くみていましたが、各社は耐水深度をじわじわと引き下げ(上げ?)つつあります*1。12mとなると、(PADIでいうところの)SCUBA Diverカード保持者がプロを伴ってSCUBAで潜れる最大水深です。
次の目標は18mということになるでしょう。そう遠くない将来、40mくらいまでカメラ単独で特別なメンテナンスなく潜れるカメラが出てくるのでしょうか。

  • バッテリー

残念ながら専用の新しい型の電池(LI-90B(4.6Wh))を使うようです。どのメーカーでも電池は単三型電池に統一して欲しいです。
手元にあるμ720SW(LI-42B(2.7Wh)使用)は水中でのバッテリーの持ちが非常に悪く、この面であまり実用的とは言えませんでした。やや大きめの電池を使うTG-1では350枚撮影可能となっていますが、水中ではどうでしょうか。
またGPSセンサーを内蔵しているようですが、水中使用ならまず最初にoffにすべき機能でしょう。

  • 残念な点

これだけの特徴を持ちながら、静止画はJPEGしか撮れないというのは残念です。また、無意味な画素数競争はだいぶ収まってきた感がありますが、それでも1200万画素はオーバースペック(無駄にデータが大きい)と考えられます。
撮影モードもPとiAUTOが中心で、コントロールできる要素は少なそうです。この点はまだこのカメラが「お手軽カメラ」の域を出ていないことを表しています。

*1:12mをすでに実現しているカメラとして、ペンタックスOptio WG-2があります。