地球破壊

TBSで「地球破壊」というテーマの番組を見ました。ここで言う地球破壊とは、どうやら二酸化炭素の排出が増えて温暖化が進むことに限っていっているようでした。つまり人間の側から見た環境問題です。
最近このテーマがメディアに頻出するようになったのは、この番組にも出ていたゴアさんの出てくる映画「不都合な真実」の影響と、ひょっとすると一部の人が言うところの「暖冬」も何となく影響しているかも知れません。こういう傾向も、人類の歴史の、ひょっとするとわりと最後の方のひとつのシーンとも読み取れます。それに関連して、二つのことが言われるようになりました。
ひとつは「地球の危機ではなく人類の危機」です。実際地球は温暖化で破壊などされません。確かにこれは人類にとって不都合な環境を作り出しているだけで、人類が減ることは地球にとっては破壊どころか浄化なのかもしれません。何をもって「異常」気象というのかと同様に、ものの見方というのはいろいろです。
もうひとつは「Point of no return」です*1。元は航空用語というのが皮肉ですが、ここではひとつの例として地球の平均気温が2℃上昇した場合のことを紹介していました。私は2000年のアメリカ大統領選挙で、ブッシュが非常にインチキくさい選挙でゴアさんに勝利し、環境よりも経済を優先させる好戦政権を作った時点でこの点は過ぎたと思っています。いくら私たちが日々の生活で二酸化炭素排出量を減らす工夫をしても、ブッシュの趣味でドンパチやられては、そんなもの吹き飛んでしまうでしょう。
中国はおそらく賢明だし、いったん目標を決めればどんなに強権的にもできるのでうまくやるでしょう。でもアメリカはそうはいかないでしょう。日本は? 島国だけれど山が多いし、何もなくても100年後には人口が半分くらいになっているはずなので、直接の影響は最低限かも知れません。その意味では、良く適応しようとしている国なのかも知れません。
人間も病気などで死期が見えたら、「ひょっとしたらまだ大丈夫かも!」と思いながら、やっと身辺整理をしたり今までの人生を振り返っていろいろ考えるものでしょう。人類は今、ちょうどそういう時期に入ったように思われます。あとは、何をもって終わりとするかの問題でしょう。

*1:「賽は投げられた」のルビコン川に例えられることもあるが、本当に物理的に戻れないのかという点について同じ意味とは言えない。