青モノクロ専用

芸術写真にモノクロが好んで用いられる理由は分かります。でもそれは限定的なジャンルでの話で、一般の人はふつうカラー写真を撮りますね。実生活にはモノクロの空間なんてありませんから自然なことです。
ところが、水中写真においてモノクロ写真にはまったく別の意義があります。
そもそも水中は、20〜30mも潜れば、自然光下では赤や緑はなくなり青だけの世界になります*1。あっ、それってモノクロじゃないの? 言い換えると、ちょっと深めの海で自然光で写真を撮るならカラー「である必要」はありません。地上写真のように、カラーだったものをモノクロに「変換」するのとは違います。
それは何かというと、もしモノクロ専用カメラがあれば、一般のカメラのように3原色4画素を4ピクセルに変換するのでなく1画素1ピクセルの等価変換ができるので、ほとんど抽象化せずに画質の向上が可能。カメラの処理も速くなる。あるいは感度上有利。いいこと尽くめですね〜。
また別のことをいうと、水中でカラー写真を撮りたがるからフラッシュが必要になるのではないか。青だけのモノクロ写真ならば、フラッシュがなくてもかなり撮れるような気がします。ここが、水中における、モノクロ写真の地上とはまったく違う意義です。
ただしそれが実現しないのは、モノクロ専用*2カメラなんて存在しないから。

*1:緑の海ならどうなるかというのはまた別だが、考えたくもないので考えないことにします。

*2:専用でなくては意味がない。もちろんデジタル。