星を見ていた人

SCUBAダイビングはいろんな意味でコストがかかるため、長年続けるのが難しい趣味であります。今後末永く今のペースで続けるというのはちょっと難しいでしょう。
そこでダイビング引退(完全にはやめないにしても、今ほどは潜らない)後にそれに変わるものとして「星を見る」というのがあります。ダイビング機材と同じ程度と思われるほど層の薄そうな天体観測機材ですが、今は団塊世代のリタイヤ後の趣味の一つとして注目されているため、思ったほど衰退はしていないようです。
20年ぶりくらいに天体望遠鏡のwebやカタログを眺めてみました。メーカーの顔ぶれはあまり変わっていないのですが、当たり前のようにデジタルカメラが使われていることと当たり前のように付いている赤道儀のモータードライブ、自動導入機能に隔世の感があります。20年前には夢のような話でした。
しかも昔と違って自分の金で物を買える今は、例えば10cmED屈折なんていうあこがれの鏡筒もちょっとがんばれば手にはいるわけです。私の出身校には30cmシュミカセがありましたが、ドームの床の構造が甘くて常に極軸がずれており、あまり使いこなせていないというアホなことがありました。しかし、よく考えてみると「ある程度がんばれば」個人でそれに近い機材を使いこなすことも夢ではないようです。
機材は高価(もちろんピンキリ)だけれど趣味としてのランニングコストはダイビングより安い。なぜなら水中と宇宙は同じ生存不可能な空間とはいえ、そう簡単に宇宙に出て写真を撮ろうということはできないから、せいぜい夜中に山へ行くガソリン代くらいしかかからないのです。面倒なレンタル代もないし漁協もないので「○○使用料」も不要。
実に合理的な趣味なのです。