水中写真に一眼レフは必要か

別の某所でよくこのことが議論になっています。このテーマは主に「水中撮影用カメラに光学ファインダーは必要か」という議論ともひも付いていますが、これは対象となるのがフィルム写真かデジタル写真かという場合で大きく話が違ってくるため、ここではとりあえず扱いません。
よそ様に持論をあまり長々と書けないのですが、私の結論はこの日記始まって以来一貫して「No」でした。最近ちょっと考えが変わりつつあるのですが、例えばプロレベルやそれに近い水中写真家が、雑誌やポスターのような印刷物に大きく載せるために撮る場合は例外ですね。しかしそんなニーズが水中写真の1%もあるとは思いません。
議論というものは違う意見も理解しようとしなければ話になりません。一眼レフのメリットもいろいろあるのは分かります。優れた光学系、素早いAF、連写、階調性、ミラーが動くことによる撮影そのものの充実感…。
しかし一般のダイバーが水中環境においてそれらを求めることに因るデメリットがあまりにも大きいのです。大きくなるレンズ、それも水中で替えられない、中身もハウジングも高コスト、輸送も高コスト、それらによるモチベーションの低下…。
最後の問題が一番大きいでしょう。例えば水中写真を始めようと思ったダイバーが、間違って最初に一眼レフを買ってしまったことでせっかくのハウジングを持ち込むこと自体が面倒になり、やがてダイビング自体からも遠ざかってしまう…このデメリットを無視できるでしょうか。
よく、水中撮影用カメラにコンパクト機を使うダイバーにレベルアップと称して一眼レフをすすめる例がありますが、これはよくよく考えて欲しい。それがホントーにレベルアップなのか、と。
私には客にぶぶ漬けをすすめているだけのように思えるのです。