議論を収束させない方法

ちょっと前にマイバッグ・ブームというのがありました。レジ袋を削減するために、変に豪華なマイバッグを売る代わりに顰蹙を買ったブランドがありましたね。こういうことをやっていては、当然このような動きに疑問を持つ人も増えてこようというものです。
レジ袋削減の効果に疑問を持つ人の論理は、決まって石油消費量に対するナフサと、そのプラスチック原料となる割合の計算というパターンです。
反論はとりあえずそれだけでよいのです。そこに、「レジ袋削減の本当のねらいはスーパーの経費削減とマスコミの欺瞞だ」ということを言い出す人が出てくると、それがどんなに正しい計算であっても、途端にその批判は偏向に基づく物だと捉えられ、以降何を言ってもそういう目で見られてしまいます。
一種のアジテーションと言ってもよいと思いますが、不幸にも議論はどうでもいい枝葉末節に分岐し、収束しなくなります。「朝まで生テレビ」の世界そのものですね。もちろんこれで問題は何も解決しません。
議論で他人を説得させ、何らかの結果を得ようとすれば、ただ計算が正しいだけではいかんのです。