Re:幸せなようでかわいそうなイルカさんたち

昨年の12月4日の日記で、室戸から串本、土佐清水まで泳いだ3頭のイルカの話と、そのうち1頭が死んだ話を書きました。
そのイルカたちにかなり直接関わっていた方(以下Aさんとします)が私の日記ページを見て、先月メールを送ってこられました。偶然にもAさんは私がよく知っている人だったので、その件について教えていただくことができました。
承諾をいただけましたので、以下一部掲載します。

・・・そのためあの事件については一部始終知っています。・・・(中略)・・・
報道はやはり、視聴者のみなさんに勘違いをまねくような表現満載でした。
関心を持っていただいていたようなので、できれば真実を知っていただけたらと思い、余計なことかもしれませんがお話いたします。

捕獲された様子について。

ところで、捕獲されたことについてです。
パックル含め逃亡した3頭は、報道のとおり、自ら港に入り、ひとに近づいてきました。

イルカの死因について。私は「捕獲されてがっかりしたストレス」だと思いましたが、上記のようにちょっと違っていたようです。

死因について、ストレスがどれだけ今回の死因に関与しているかは、実際はわかっていません。
死因は剖検の結果、ゴミの誤飲でした。解剖時に胃内にあったゴミの量は半端ではなく、確か約15キロだったとおもいます。容積もかなりのものでした。
ゴミによって膨れた胃による心臓の圧迫、それと、食べ物を消化できない状態になっていたため栄養失調でした。

この死因については、NHKによってごく限られた報道がされたとのことです。
さらにAさんはこのように考察されています。

その原因については、野生の群に入れなかったこと(群社会のハンドウイルカにとって、これはかなり致命的と考えられます)や、狩りができなかったこと(本来は群で狩りをするので)などいくつか考えられます。
結局、この逃亡はイルカ達に肉体的、身体的な大きなダメージを与えるだけとなりました。
つまり、イルカの管理者としては、イルカの為にもイルカを逃亡させてはいけないんです。
イルカの管理者、飼育の責任者は、とても、とても思い責任を持たなくてはいけないんです。そして、その責任が果たせるひとにしか、イルカを飼う資格はありません。

Aさんはイルカの管理責任者ではありませんが、イルカを飼っていた環境にはかなり反省すべき点があった、と考えているようです。私のほとんど知らない分野の話ですが、なるほど、と思いました。
さて、動物を飼うことの責任や難しさについては、もっと身近なペットでもさんざん言われているところですが、このように水族館などに行けばアイドルのイルカさんについてさえも、そのような問題を抱えているということです。
とにかく普通なら知ることのできない情報を伝えてくれたAさんに感謝。年度が替わったこともあって、Aさんは現在 別の所に所属されています。Aさんの今後にも期待。