漂流から学ぼう


17日に鹿児島の宇治群島というあたりの海でダイバー漂流があったようです(関連記事 1 2 3 4 など)。助かって良かったですが、私のようなドリフト好きダイバーはこれに学ばなくてはなりません。中途半端な誰が良い、悪いという論評は置いておくとして、報道されている中からポイントとなる事項をいくつかチェックしておきましょう。

そこらへんは潮流を読むのは難しそうだ

海上保安庁の海洋速報を見ると、黒潮本流とする報道は若干不正確ということになりますが、それにしても対馬海流との分岐がこの辺で起こっているであろうことは推測できます。
ダイバーは午前7時前にエントリーして午後8時前に発見され、その間南東に約22km流されたそうですから、平均0.9ノット。南西だったという風の影響はあったにしても、ドリフトダイブをする環境としては驚くような速さではありません。にもかかわらず船長がダイバーを見失ったのは、潮流を読むのが難しかったのと波の影響があったのでしょう。

ベテランダイバーだからこそ

ダイバー4名はいずれも10年、500本以上のダイバーだそうです。だからこそそういう海で潜りたくなるし、だからこそ冷静な判断で助かったとも言えます。4人をつないだロープはたぶんフロートのものだと思いますが、泳ごうとしなかったり、離ればなれにならなかったのは大正解だし、またロープで結べるほど浮上後に近づけたのはラッキーでした。
そういえば4名のうちの1名は70歳を超える高齢ダイバーのようです。脱水、熱射などで大変なことにならずに本当に良かったですね。

漂流ダイバーは日暮れ後に見つかる

私の経験から言ってもそうですが、昼間に遠くの船や飛行機などから水面の人間を見つけるのは予想以上に困難なようです。4人は冷静に「日が暮れるまで待っていよう」と考えたかも知れません。
そういう意味で朝7時前のエントリーで漂流というのは「おつかれさま」でしたが、例え昼間のエントリーであっても水中ライトは必須ということですね。ストロボがあればもっと有効かも知れません。