客がダイビングに金を払う意味とは?

ダイビング屋さんにとって、自分たちやお客さんの安全を確保することはとても重要なテーマだと思っているのですが、客の立場からいうとダイビング屋さんにはその意味をよく理解して頂きたいと思っています。
私たち多くのレジャーダイバーにとっては、ダイビング屋さんにお金を払っているのは水中世界を楽しむためです。その内容は、水中写真を撮ったり魚を観察したり、ただぼーっとしたりなどと多岐にわたると思いますが、レジャーダイバーが金を払う目的は一義的にそんなところです。
ダイビング屋さんに誤解して頂きたくないのは、お客さんの目的は楽しむことであって、安全確保ではないということです。安全を軽視しろということではないですよ、目的と手段は明確に分けて考えろということをいいたいのです。安全確保は手段であって目的ではありません。
もしこの区別を付けないままに「安全第一」を最優先するならば、そもそもSCUBAダイビングなんかしなければ潜水の危険は何も生じないし、金も払わなくてよい、ああヨカッタねということになります。それも一つの考え方でしょう。でもそれではレジャーダイビングを全否定することになります。
ダイビング屋さんへのお願いは、お客さんが何に対して対価を払うのかをもう一度明確に意識して頂きたいということです。その中には「安全への対価」が当然含まれていますが、それは目的ではなく手段です。「安全第一」の御旗に目が眩んでいるとすれば、それはお客さんが離れていく理由への重要なヒントになるのではないでしょうか。