比較しておもしろい自然科学の記事

最近何かにつけて「温暖化」というキーワードがチープに扱われているのが気になるのですが、そんな傾向に沿っているのかおもしろい記事が出ていました。時期はずれていますが、二つの新聞サイトで同じテーマを扱っているので比較してみましょう。
一つは産経新聞の記事*1です。横浜のある漁港でシャコの漁獲量激減のため禁漁が続いていることを書いています。
タイトルを見ると、最近ありがちなノリで「水温の変化が原因でシャコが捕れなくなっちゃったのね」と誰でも思うと思うのですが、記事を読むとけっきょく原因は分かっていないということを、何度も書いているのですよ。むしろ記事をちゃんと読めば、捕りすぎが最大の原因ではないかとも感じさせる内容になっているわけです。
もう一つは読売新聞の記事*2なのですが、こちらは3年も前の記事になりますが、扱っている事実はまったく同じ。しかし、シャコを捕りすぎないことによってブランド化を図っていることを扱い、最近も不漁傾向だが過去にも不漁の時期があったことを書いています。それだと海の環境の変化が原因の一つだとしても、今いわれている「温暖化」と安易に結びつかないわけです。
どちらの記事がより物事を正しく見せようとしているかは、言うまでもないですよね。

*1:Yahooに出ている産経新聞の記事「漁獲急減のシャコ 犯人は水温か」http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080301-00000908-san-soci

*2:YOMIURI ONLINEの記事「【小柴のシャコ漁】「取り過ぎない」のモデル」http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kanagawa/kikaku/066/4.htm