SCUBAダイビングの3要素

私達にとって興味のある(あるいは、この日記ページの対象であるような)SCUBAダイビングというのはレジャーダイビングなので、私としてはあまりダイビングの上達とかいう概念にはあまり興味ありません。中性浮力とかフィンキックとか、そういう細かいことを言ってるのではなく、単に上達と言っても何を基準として言われるのかよく分からないし。
それでもここへ、そういうことを探しに来る方もいるようなので、少しだけ書いておきましょう。
何が上達なのかよく分かりませんが、とにかく「ダイバーとして上手いことやっていく」ためには、技術・知識・経験の3つの要素をバランスよく養うことが必要だと思っています。このどれか一つが欠けていても、「ダイバーとして上手いことやっていく」ことができない原因になります。
今日日のプロのダイバーにありがちなのが「経験第一主義」ともいえる考え方です。平たく言えば、過去の使用タンク本数が「数値として最も分かりやすい」基準になりますので、もっと狭く言えば「本数重視主義」です。ところが「数値として最も分かりやすい」ということは、それだけだまされやすい原因にもなります。
例えば、10000本潜ったプロのダイバーは何だかすごいような気もします。しかしその大半がある一つのエリアで潜ったものだとすれば、そのエリアでの経験という意味ではすごいのですが、さまざまな環境で潜るレジャーダイバーの立場としてはいろんな場所、いろんなスタイルで潜った経験が非常に大きな意味を持ってくるので、同じような場所で10000本潜ったということ自体にあまり意味はないことになります。
このように経験という要素一つ取ってもいろいろな意味があり、さらにその経験というのは正しい知識と技術に裏付けられていなければ何の意味もないどころか、ネガティブな効果を発揮することさえありそうな気がします。
これと同じような説明が、知識とか技術の要素についても可能だと思います。経験・技術を伴わない知識は現場に適用できないし、知識・経験を伴わない技術は変化に適応できません。
つまりこれら3要素は互いに密接に関係しあっているのであって、どれが大事でどれが何番目などという順位付けができるようなものじゃないのよ、というのが私の考え方です。