法治国家の意味をはき違える産経新聞

普段からハチャメチャな論理を「正論」として突き通す産経新聞ですが、今般あまりにも酷い記事を掲載しているので指摘せずにいられなくなりました。
今、八重山で起きている教科書問題に関する記事です*1。おそらく普通の感覚で言えば、沖縄では選ばれにくいであろう傾向の教科書がなぜか選ばれそうになっているという不思議な問題が発端ですが、その不思議さは複雑な問題をはらんでいるので置いておくとして、特にこの記事でいう4ページ目の言いぐさが酷い。

  • 教科書を採択をしたくないなら独立すればよい

自分たちのプロパガンダにそぐわない者は国から排除してしまえと言う、恐ろしい独裁主義を吐露しています。彼らはどんな「日本国」を理想としているのでしょうか。

  • 日本国に属していることで竹富町はさまざまな恩恵を国から受けて成り立っているはずだ

そこだけ言えばそうですが、国としては竹富町の存在から何も恩恵を受けていないのでしょうか。あまりにも自己中心的で勝手な言い分です。

法治国家」の意味をはき違えた典型的な言い分です。国家権力の行使を法で縛るのが法治国家であって、勝手なプロパガンダに沿って都合のいいように法を振りかざすのは法治国家とは何の関係もありません。
こういった主張は新聞のものとしては幼稚でここで取り上げるほどではないかもしれませんが、あまりにも目に余るので指摘します。彼らは最近の中国のやり口などが非常にお気に召さないようですが、彼らは無理に中央集権的で独裁的な国を理想だと主張しているようで、自分たちで矛盾を感じないのでしょうか。