昨年のナズマド事故

あまり扱いたくない話題ですが、ニュースとして「八丈島ナズマドで昨年夏、潜水士の資格を持たない研究員*1に調査潜水をさせ死亡させた教授に停職処分」の記事*2が出ていて、このような事故があったことを初めて知りました。
潜水士資格の有無が直接の処分となった事例を私はほとんど知らないのですが、これも資格の有無だけでなく事故があった結果が処分につながったという面が濃厚です。ただし裁判になれば、無資格の研究員に潜らせたことが指導者として不利に扱われることは確実でしょう。
そんなわけでこの事例は興味深いので、よく探してみるとこの事故については普通隠蔽されがちなダイビング事故としては異例なほど詳細な資料が記録として残され、公開されていました*3
「スクーバ」が正式な呼称だと書いてみたり*4、なぜかこの事故に直接関係のないダイビング業界のビジネスにまで深く言及した資料を添付するなど、やや不自然な点もありますが、その裏返しとしてダイビング事故に関する比較的中立的な資料も扱われており、それはそれで参考になるのではないかと感じます。

*1:講習は受けていたが、Cカードは取得しなかったらしい。それもグァム島での講習というのが、個人的にはいかにも感アリ。

*2:asahi.comの記事「無資格の研究員に潜水させ死亡 東大、教授を停職処分」 http://www.asahi.com/national/update/1017/TKY200610170428.html

*3:東京大学潜水作業事故全学調査委員会による「東京大学における潜水作業中の死亡事故について 事故原因究明及び再発防止のための報告書」 http://www.u-tokyo.ac.jp/public/pdf/180330_06.pdf

*4:もちろん正式名称はSCUBA。「スキューバ」「スクーバ」は読みの違いの問題。