Googleが批判されているようです

最近、Googleで「ストリートビュー」なる機能が公開されました。ある時日本の大都市部もその対象になり、これが町中の風景を勝手に撮影していたり、私道に入り込んで撮影したなどの問題で、日本だけでなく他の対象国でも批判の対象になっているようです。
ところで、「ストリートビュー」への批判を拡大して、Google自体への批判(やっかみ?)もにわかに高まっているようです。私は今のところGoogleを批判も擁護もする気がありませんが、明らかに誤った考えから批判を展開されている方がいるようなので、正しい批判や擁護のためのヒントとして2つの指摘をしたいと思います。

  • Googleは無償ではない?

ここでいう「Googleを利用する」こととは、たぶん検索サイトとして一般ユーザーがGoogleを利用することをいうのだと思います。この意味でいうGoogleは明らかに無償です。「無償」という言葉の定義にもよるのですが、一般的には利用料が0円であることを指すでしょう。私もさんざん利用していますが、一度も代金を取られていません。
しかしGoogleは莫大な広告収入を得ているはずです。「Googleは慈善団体ではなく営利企業である」という人がいますが、そんなことは誰でも知っていることで、「Google営利企業かどうか」と「Google検索は無償かどうか」とは、直接の関係はないでしょう。「Googleは慈善団体ではないから無償とはいえない」というのは、おかしな論理です。
逆に、例えば「民放の地上波テレビ放送やR25は無償ではない」とはっきり言える理屈ならば、「Google検索は無償ではない」と言ってもよいでしょう。

  • Googleは独自の情報を提供していない?

これはよく「他人の褌で相撲を取る」というようないわれ方をする批判です。誰かが公開している情報にリンクしているだけなのだから、何も情報を提供していることにならないではないか、と。
確かにそうかも知れません。Googleの検索結果がリンク集であるのは確かです。ところで、公開された情報を取捨選択して何らかの意味がある順に並べることは、それだけで価値のある作業です。だから多くの人が利用しているわけです。もし検索結果に付加価値がないのなら、誰もそんなもの利用しないでしょう。
これを言い始めてしまうと、では何をもって独自の情報とするかという問題が現れます。例えば市販されている地図も人々が作った街や自然の起伏を何らかの意図を持って切り取り、それを可視化しているのですからやっていることは同じですが、もちろん成果物としての価値があります(著作権とは別の話です)。
独自の情報を提供しているかどうかではなく、既存の情報から何か付加価値を生み出しているかどうかを論じるべきでしょう。


最後に繰り返し書きますが、これはGoogleへの批判でも擁護でもありません。正しい批判や擁護のためのヒントとして書いたものです。